ウェディングブーケ

ドアに立つとおっぱいくさかった娘はいつのまにか百合の匂いがした。そのうちここがどこかわからぬまま娘と一緒にオルガンの音に誘われ、そこにいないかのように娘の手を支えながら左手でそっと背中を押すと

この腕にブーケの匂い残し娘は

 

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sentei

ぶどう棚のすきまから

机仕事もとりあえず一段落して、朝から陽がさして少し暖かな日なので久しぶりに剪定をはじめた。昨年の補助事業でぶどうの棚を新しくすることができたので剪定作業も楽で嬉しい。腰をかがめる必要がないことは何よりだ。そして、シーナ風に言うならば懸念事項の巻きひげも今年からはきちんと取り除くのだという正しい日本のぶどう農家の気持ちになってきたのだ「よおし、よおし」ということか。

ぶどう棚のすきまから見上げるこの季節の空は特に美しい。

昨年末から様々な人生に立ち会いその都度空を見上げた。きちんとした手入れのまま主が消えた小さな畑の上に広がっていた空、歩くことだけに専念した東京の空。

何度も何度も空を見上げた。