Home > たえぽう > 白馬雪渓ルート

白馬雪渓ルート

sirouma07.gif白馬雪渓ルートでの事故やルート解除のニュースを聞きながら、多発する落石から逃げ場もない雪渓ルートは今もあるのだなと思った。登山道は何が起こるかわからない自己責任の道だということぐらいわかっているが、この場所での落石事故はもう何度も何度も聞いている。その度にこんな落石ルートいいかげんに立ち入り禁止にしろよ!観光よりも人命だろ?おい。と思う。
ニュースを聞きながら昔白馬岳を目指した時の事を思い出した。数年前、幸いなことにいままで一度も(20年間)使ったことがなかったビバーク用のツエルトがどこまで使えるのかという実験と真夏ではあるが標高2932mでシェラフカバーだけで寝てみたいと願った父と山に登ってみたい娘は白馬岳を目指す計画を立てた。息子の時と違って、ルートにはかなり迷ったし、シュミレーションもした。通常では猿倉から登る雪渓ルートなんだろうが、高度差のあるこのルートは高山病にかかりやすいし16歳の女の子が登るにはトイレの事とかもしもの時に困る。父もひたすらと景色もないところを登るのには抵抗がある。(若い頃この雪渓ルートを歩いたことがあり、このルートは危ないと思ったし、話ほど花を見る事もなかった)登山の良さは稜線からはじまるという持論があるので、稜線をゆっくりと花を見ながら歩く計画を立てた。そして、娘との会話をきいていたカミさんが「私も行きたい」と言い出したので、さらにスケジュールといくつものルートの変更をしながら何度も何度もシュミレーションをしてから登った。
一日目の白馬大池でテントを張ったときは雨も風もなく美しい月明かりの中で眠った。二日目のてっぺんでは夜半に雨になり強風の中でツエルトのまん中に立てたポールにしがみつきながら眠ったのだが、四隅を留めてあった大きな岩が風でゴロゴロと坂を下るのでツエルトも一緒にズルズルと動くのである。その度に下がってくる岩を足や片手で戻しながら風に倒れそうなポールを立て直す、といった事を一睡もせずに実に涙ぐましい努力を一人でひたすら続けた。隣の娘とカミさんのドーム型テントは何事もなくどうやら強風にやられているのはこのツエルトだけらしい。全くツエルトは風に弱いのだった。朝三時頃娘がトイレに行くのがわかった。しばらくすると風が止まったのでホッとしてポールを握る手をゆるめたのがいけなかった(チカラ尽きて)その瞬間に風が吹きツエルトは一瞬のうちにクニャリとつぶれた。そのクニャリとした瞬間を娘はトイレから帰ってくる途中で見ていたらしく「おとうさんだいじょうぶ?」「う・・・」
いまでもその瞬間の話題にはことかかない。再び雨と風の中もう一度ツエルトを立て直す気力もないので娘とカミさんのテントにそのまま潜り込んで眠った。眠りながらツエルトは実際テントとしては使えないし晴天の場合は快適に使えるが最悪の場合に体に巻いて雨風をしのぐ事ぐらいだという事を考えていた。それと重要なのはペグを打つ位置でツエルトに当たる風のチカラは想像を絶する事も理解した。山は甘くみない方がいい。
plan1.gif時間はできるだけ細かく計画するようにしている。細かくすると遅れた時にどこで立て直す事ができるのかとか、早くついた時にどれくらいここでゆっくりできるかがわかる。そして一番大事なのは、パーティで行った時に初心者でも全員が今どの場所にいてあとどれくらい時間がかかるのかという事を理解できるということ。例えばリーダーがいなくてもイザという時に引き返すのがいいのかそれともこの先にある山小屋に行くのが近いのかという事を判断する事ができるからだ。

Comments:0

Comment Form

Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://kakutarou.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/93
Listed below are links to weblogs that reference
白馬雪渓ルート from ぶどう棚のすきまから空を見上げて

Home > たえぽう > 白馬雪渓ルート

Links

Return to page top