- 2011年1月12日 22:43
- カクメモ
底冷えを体中で感じ厳寒のニュースを聞きつつ山岳画家・桂重英が段ボールに描いた冬の日本海を思いながら、あの絵を描いた彼の後ろ側にはどのような背景があったのかとつらつらと考えた。今からもう二十年近く前になるだろうか仕事でとあるイベントを企画した時に演奏をお願いをするためフルート演奏家の桂姉妹のお宅にお邪魔したことがあった。その時はまだ桂さんのお宅に大きな藤棚があってその下で初めてお会いしたばかりのお母様と二人でなぜかゆっくりとお茶を飲み北アルプスを眺めながら重英さんの話をしたのが画家桂重英(以前ブログで紹介)をきちんと知った最初であった。姉妹の演奏の話をしに伺ったのになぜ姉妹の話ではなく絵画の話をしたのか、あなたはどのようなお仕事をしているのですかという問いかけに言葉を迷わせながら広告デザインの仕事を・・・というところから始まったのだろうか「主人はもう一度画家になるために57歳の時にデザイン界から身を引いたんです、思っていれば必ずあなたもまたいつか絵筆を握るようになりますよ」と言われたことだけは今でも鮮明に覚えている。その時からその言葉はふとしたはずみでぼんやりと頭をかすめる時があった。桂重英が思い切りよくそれまでの全てを捨てることがなかったならば桂姉妹のフルートの音色も流れてはいないし、段ボールに描かれたあの作品もきっと生まれてはいない。人が動くと風が立ちそれはリレーのバトンとなって時代のうねりの中であたかもそのためにあらかじめ決められていたように様々な場所で所作が起こる。
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